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コンサルティング工房 MOU

工房主ごあいさつ: 2010年1月1日

 

●「急がば回れ」の年

 昨年は政権交代という歴史的な出来事に日本列島が揺れ、今年も参議院議員総選挙というイベントを控え、政界はしばらく熱い状況が続きそうです。
 政治の動きについては、MOUなりにマーケティングの視点を用いた観方を提唱していますので、ぜひご参照ください。→ マーケティングのプロセスで「政治の動き」を考える

 一方、経済や企業経営の分野に目を移しますと、多少の上向きは期待されるものの、しばらくは熱い状況は望めそうにないのが実態です。
 このような時期は、いざ景気が回復した際に猛ダッシュがかけられるよう、じっくりと組織が抱える問題点・課題を見据え、改善できるところは腰を据えて対策に取り組むという姿勢が大切です。
 多少手間ひまが掛かったり、今まで見えていなかった問題点が浮き出て混乱することがあるかも知れませんが、ここは「急がば回れ」の精神で取り組んでいただきたいと考えます。


●問題発見・解決のプロセス

 企業経営においては様々な場面で、

    @「現状」の把握(「問題点」の特定)
    A「目標」の設定または確認
    B現状と目標との間にギャップが発生している「原因」の分析
    C原因を取り除くための「解決策」の案出
    D解決策が確実に実施されるための「実行計画」の立案

上記のような問題発見・解決のプロセスがよく用いられます。

 すでに皆様方の企業・組織でも実施されていることとは思いますが、それを“急がば回れ”で徹底して行なっていただきたいのです。
 なぜなら、「@現状の把握」から「B原因の分析」に至るプロセスを飛ばして、手の付けやすい「C解決策の案出」に終始する企業・組織が多く見受けられるからです。
 その結果、「解決策」の中身が不十分となり、単なる“手直し”“その場しのぎ”の施策を続けて企業体質が弱体している例があまりにも多いのです。


●問題点の“仕訳け”

 問題発見・解決のプロセスで最も重要なのは、意外に思われるかも知れませんが、実は「@現状の把握(問題点の特定)」なのです。
 この「現状の把握」が曖昧なまま「原因分析」や「解決策案出」を行なっても、土台が固まっていないため十分な分析や案出ができないのです。

(よく見受けるミス)
 自社または自部門の問題点をあげていただいた際、下記のように答えるケースが目立ちます。

   業務が煩雑なため、各作業に時間がかかり、機器整備の時間が取れず、
   結果としてお客様に迷惑を掛けてしまっている
   →結論:業務が煩雑でなくなれば、お客様に迷惑をかけることもなくなる

 いかがでしょうか。皆様方の企業内で、上司と部下との間で上記のようなやり取りが行なわれてはいないでしょうか。

 たとえば、“各作業に時間がかかる”という事項の原因は、作業員の人数の問題や、能力の問題、あるいは使用している設備の問題など、もっと他にあるかも知れません。
 原因が他に存在するのであれば、その解決策も各原因ごとに違ってきます。人数の問題なら人数を増やすためのシフト改善、能力の問題なら教育・指導、設備の問題なら新規購入の検討など、考えるポイントが異なってくるのです。

 このように「問題点は何ですか?」という質問に対し、複数の事項が出てくる場合、その組織なり社員は本当の問題点が見えていないか、頭が混乱していると思って間違いないでしょう。

(改善の方向)
 「問題点」をきちんと把握するポイントは、昨年の流行語にもなった“事業仕訳け”の“仕訳け”です。
 上記の例でいえば、句読点で区切られた事項、すなわち「業務が煩雑であること」「各作業に時間がかかっていること」「機器整備の時間が取れないこと」「お客様に迷惑がかかっていること」の4つの事項に“仕分け”して、4つの問題点が存在していると認識します。

 次に、各問題点ごとに原因を考え、どの原因が企業や組織にとって最も害をなしているかを考えていくと、自ずとどの問題点が優先順位として一番最初に改善すべきものかが見えてきます。

 実際には、優先順位の付け方とか、原因分析の手法など大切な事柄がありますが、それは今後とも本ホームページにてご紹介していきたいと思います。
 少なくとも、上記の「問題点の仕訳け」を各部署ごとに行なっていただくだけでも、組織内の問題点や改善の方向性がより鮮明に見えてくることは間違いないでしょう。


●最後に

 ここまで読まれて「随分と面倒くさいんだなあ」と思われたでしょうか?もし、そのように思われたら、日本の大手航空会社や米国の大手自動車会社が経営危機に陥ったり、長年政界を牛耳っていた与党があっさりと政権交代されてしまったことの「根本原因」を考えてみてください。

 きちんと現状を把握したり、売上の落ち込み(支持率の落ち込み)の原因を深く追求するといった「問題発見・解決のプロセス」を無視した活動を続けてきたこと、そこに思い至るはずです。

 2010年、ぜひ“急がば回れ”を実践していただき、企業・組織の体質改善を実現していただけますことを祈念いたします。

マーケティングオフィス・ウラベ 工房主 占部 正尚


⇒ 過去「工房主ごあいさつ」2009年7月
⇒ 過去「工房主ごあいさつ」2009年1月